期末操作における証拠金取引未決済ポジションのみなし決済について教えてください。

     *リニューアル版のFAQはこちらをご覧ください。

法人の証拠金取引では法人税法61の4①より期末時点において「みなし決済」を行うことが求められます。

(参考:法人税法61の4①)
【有価証券の空売り等に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等】

第六十一条の四 
内国法人が第六十一条の二第二十項(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)に規定する有価証券の空売り(次項において「有価証券の空売り」という。)、同条第二十一項に規定する信用取引(次項及び第三項において「信用取引」という。)、同条第二十一項に規定する発行日取引(次項及び第三項において「発行日取引」という。)又は有価証券の引受け(新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘又は既に発行された有価証券の売付けの申込み若しくはその買付けの申込みの勧誘に際し、これらの有価証券を取得させることを目的としてこれらの有価証券の全部若しくは一部を取得すること又はこれらの有価証券の全部若しくは一部につき他にこれを取得する者がない場合にその残部を取得することを内容とする契約をすることをいい、前条第一項第二号に規定する売買目的外有価証券の取得を目的とするものを除く。次項において同じ。)を行つた場合において、これらの取引のうち事業年度終了の時において決済されていないものがあるときは、その時においてこれらの取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額又は損失の額に相当する金額(次項において「みなし決済損益額」という。)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。

簡単にまとめると、証拠金取引の未決済ポジションは期末時点の時価レートで[「決済されたと仮定」して損益を計上。翌期には前期で仮決済した収支を相殺させる繰戻明細を作成、という流れになります。

本稿では具体的な事例で説明させていただきます。

【前提】

みなし決済前の証拠金取引収支は上記の通りです。
この収支額の内訳については割愛いたします。
このケースでは

  • ETH/JPYのLONGポジション(建玉平均価格:83,784円, 建玉数量: 10)
  • BTC/JPYのSHORTポジション(建玉平均価格:1,689,572円, 建玉数量: 5)
  • ETH/JPYのLONGポジション(建玉平均価格:23,695円, 建玉数量: 10)

があるとします。

期末処理(証拠金みなし決済)を実施

証拠金みなし決済は期末処理(法人)の内容に準拠し、
例としてETHのみなし決済レート81,000を、BTCのみなし決済レート'1,500,000'に設定します。

この結果、収支ではこのように未決済ポジションを仮決済扱いした明細が作成されます。



それぞれの計算内容については詳細の「特記事項」に記載しておりますが、
計算仕様として

LONG(買い)ポジション

(みなし決済レート × 建玉数量 )- ( 建玉平均価格 ×  建玉数量)= みなし決済損益

SHORT(売り)ポジション

( 建玉平均価格 ×  建玉数量)-(みなし決済レート × 建玉数量 )= みなし決済損益

となります。

翌期繰越

翌期以降の明細には前期で発生したみなし決済の収支を相殺させるための「損益繰戻明細」が作成されます。

詳しくは期首または期末をまたいで証拠金取引のポジションを保有した場合の登録方法についてをご確認ください。


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