証拠金取引にて損益受領通貨が暗号資産の場合の計算方法(総平均)

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証拠金取引において、本項では海外取引所などに多い、損益を受領する通貨(通常、証拠金と同じ通貨であることが多い)が日本円、米ドルなどではなく「BTC」など暗号資産の場合の計算方法(計算方式:総平均法)の説明を行います。
総平均法の計算方法はこちらを参照してください

証拠金取引側では基本的に以下のような方式で行われます。
(ここでの計算は計算方式による違いはありません。)

  • 利益獲得時:マイニングなどと同様、その時点の時価レートを元に利益を計上します。
  • 損失発生時:その取引が行われた時点での「証拠金の取得原価」を基に損失評価額を計上します。

具体的には以下の通りです。
※説明しやすくするため、「損益を受領する通貨」および証拠金は全て「BTC」建てであることにします。

利益獲得時

証拠金取引により利益が発生し、幾らかのBTCを得た。
この場合、証拠金取引側では単純にその時のBTCレートに沿った利益が発生することになります。

具体例をあげると、
Step1: 400,000円で1BTCを購入
Step2: これを証拠金にして証拠金取引を行い、0.02078547BTC取得した。(この時点のBTCのレートは422,840円とする)
Step3: 別の取引所に移して0.5BTCを210,000円で売却

Step2の時点で証拠金取引では0.02078547BTC分の利益が発生したことになります。
利益は上記したようにその時点の時価レートを元に利益を計上します。
この時点のBTCのレートは422,840円なので、

422840 × 0.02078547 = 8789

と同時に現物取引では取得原価8,789円でBTCを0.02078547獲得したことにします。

Step3にて0.5BTCを210,000円で売却すると以下の計算により9,767円の収益になります。

【集計基準期間の購入総額】÷【集計基準期間の購入総数】=【平均購入原価】
408789 ÷ 1.02078547 = 400465.143768

【売却総額】-(【平均購入原価】×【売却総数】)= 【収支金額】
210000 - (400465.143768 × 0.5) = 9767.428116 ≒ 9767

損失発生時

損失が発生した時、すなわち証拠金が減少した時は単純にその通貨を失ったことになります。
その損益評価額については取引が行われた時点での「証拠金の取得原価」に準拠します。

具体例をあげると、
Step1: 400,000円で1BTCを購入
Step2: これを証拠金にして証拠金取引を行い、-0.02078547BTC減らした。
Step3: 別の取引所に移して0.5BTCを210,000円で売却

Step2の時点で証拠金取引では-0.02078547BTC分の損失が発生したことになります。
利益は上記したように取引が行われた時点での「証拠金の取得原価」に準拠します
Step1で400,000円で1BTC購入したので取得単価は400,000円 ÷ 1 = 400,000円 になります。
Step2での取引明細では損益金額に-0.02078547BTC分の損失

400000 × -0.02078547 = -8314

Step3にて0.5BTCを210,000円で売却しますが、Step2では単純に保有数が減っただけで、
単位あたりの取得原価、および現物取引側の収支には影響を及ぼしません。

【集計基準期間の購入総額】÷【集計基準期間の購入総数】=【平均購入原価】
391686 ÷ 0.97921453 = 400000

【売却総額】-(【平均購入原価】×【売却総数】)= 【収支金額】
210000 - 400000 × 0.5 = 10000

計算方法証拠金取引暗号資産建て総平均法
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