仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」は、ビットコイン(BTC)やネム(XEM)、モナコイン(MONA)といった主要通貨に加えて、個性的なトークンも取り扱う老舗の日本国内取引所です。販売所形式・取引所形式の両方に対応しており、「コイン積立」や「おてがるトレード」などの自動投資機能も充実しています。さらに、ユーザー間で仮想通貨を送り合える「ソーシャルチップ機能」や、利用額に応じて0.8%相当のBTCが還元される「Zaifカード」といった、ユニークなサービスも提供しています。そんなZaifを利用している方の中には、取引でどれだけの利益・損失が出ているのか把握したい確定申告に向けて、損益を正確に出しておきたい損益の計算方法を知りたい…といった方もいるのではないでしょうか?そこでこの記事では、Zaifでの取引履歴をもとに、総平均法・移動平均法による手計算の手順と、損益計算ツール(クリプトリンク)で算出した結果の比較を通じて、収支の確認方法をわかりやすく解説します。この記事の要約ZaifはBTCやMONA、XEMなどを取り扱う日本国内の老舗取引所で、自動積立やチップ機能などのサービスも提供現物取引・信用取引・入出金・ボーナスの各種履歴CSVをダウンロード可能ダウンロードしたデータを使って、総平均法・移動平均法による手計算のやり方を解説計算が面倒・不安な方は、クリプトリンクの損益計算ツールの活用がおすすめZaif(ザイフ)とはどんな取引所?Zaif(ザイフ)は、ビットコイン(BTC)やネム(XEM)、モナコイン(MONA)などの国内銘柄を中心に幅広い暗号資産を取り扱う、日本発の取引所です。現在はカイカエクスチェンジ株式会社が運営しており、長期運用や積立投資をサポートする機能が充実しているのが特徴です。また、仮想通貨をワンタップで購入できる「かんたん売買」や、自動積立の「コイン積立」、ユーザー間での送金が可能な「ソーシャルチップ機能」、さらにVisa連携の「Zaifカード」など、他の取引所にはないユニークなサービスも揃っています。以下に、Zaifの主なサービスをまとめました。サービス名内容・特徴現物取引(取引所)オーダーブック形式での売買が可能。Maker手数料は無料(0円)で、Taker手数料も業界最安水準。かんたん売買(販売所)ワンタップで仮想通貨を購入・売却できる初心者向けサービス。少額からの投資も可能。コイン積立毎月一定額を自動で積み立て購入。長期的な資産形成をしたい方に向いている。おてがるトレードあらかじめ設定した条件に応じて自動売買を行うサービス。信用取引最大レバレッジ2.5倍まで対応。BTCなどを担保に売買ができ、短期トレードにも活用可能。ステーキング対象通貨(ETH・XYMなど)を保有するだけで報酬を受け取れる。ソーシャルチップ機能チャットやSNSを通じて、ユーザー同士で仮想通貨を気軽に送り合える機能。Zaifカード(決済カード)JCBブランドのクレジットカード。利用額に応じて0.8%相当のBTCが還元され、Zaifアカウント内に付与されます。2025年には期間限定で10倍還元(8%)キャンペーンも実施されました。Zaif Payment(法人決済)ビットコインなどによる支払いを円で受け取れる法人向け決済サービス(API対応)。スマホアプリ対応iOS/Androidアプリあり。外出先でもスムーズに取引・チャート確認が可能。Zaifは、「個人の資産運用」から「法人の決済導入」まで幅広いニーズに応える設計がされており、他の取引所にはないユニークな機能も豊富です。Zaifの取引履歴データをダウンロード損益計算を行うには、Zaifでの取引履歴データをCSV形式でダウンロードする必要があります。ここでは、Zaifで取得できる以下4種類の履歴について、それぞれの取得方法を解説します。現物取引履歴信用取引履歴入出金履歴ボーナス履歴※Zaif 積立コインの履歴はcsvでデータを取得できないので割愛します。いずれも、Zaifの「アカウント」画面からCSVで取得することができます。ここでは、実際のダウンロード手順を画像付きでご紹介します。まずはZaifにログインし、アカウントをクリックします。現物取引履歴・信用取引履歴現物取引履歴、信用取引履歴は「各種サービス」タブからデータを取得することができます。次に「取引履歴csv」をクリックします。「他の年を選択」をクリックし、任意の年を選択して現物取引または信用取引のファイルをダウンロードします。入出金履歴入出金の履歴は「入出金と履歴」のタブからデータを取得することができます。「入金」または「出金」をクリックし、「csv dowanload」のリンクをクリックし、明細をダウンロードします。※画像は入金の明細になります。ボーナス履歴ボーナスの履歴は「ボーナス」のタブからデータを取得することができます。「ボーナス獲得」を選択し、「csv download」をクリックし、データを取得します。Zaifの取引データの見方を解説Zaifでダウンロードできる取引履歴ファイルは、種類ごとにヘッダー(列)の内容や構成が異なります。この章では、各ファイルのサンプル形式とともに、各項目の意味を詳しく解説していきます。現物取引明細各列の意味列名説明マーケット通貨ペアを表します(例:btc_jpy、xem_jpyなど)。注文方法発注時の注文形式を表します。Zaifでは以下の2種類があります:取引種別bidは買い、askは売りを表します。価格約定時の1単位あたりの価格(例:1BTCの価格)です。数量取引した通貨の数量です。取引手数料同一通貨建てでの手数料です。Zaifでは無料の場合もあります。ボーナス円売買により付与されたボーナス金額(JPY)です。日時取引が成立した日時です。コメント注文に対する備考などが記載される場合があります。通常は空欄のことが多いです。入金明細各列の意味列名説明日時Zaifに入金が反映された日時です。金額入金された通貨の数量(この例ではXRP)です。TXブロックチェーン上のトランザクションIDです。出金明細各列の意味列名説明日時出金手続きが行われた日時です。金額出金された通貨の数量です(※手数料込み)。手数料出金時に差し引かれるネットワーク手数料です。TXブロックチェーン上のトランザクションIDです。アドレス出金先のウォレットアドレスです。メッセージXRPなど一部通貨で必要な宛先タグなどです。ボーナス明細各列の意味列名説明支払日時実際にボーナスが付与された日時です。日付ボーナスの対象日(保有・取引等に対する報酬基準日)です。支払ボーナス付与された金額です。支払通貨ボーナスとして支払われた通貨単位です。信用取引明細※一部非表示にしています。各列の意味(抜粋)列名説明マーケット通貨ペア(例:btc_jpy)です。取引種別mask=信用売り(ショート)、mbid=信用買い(ロング)を示します。レバレッジ取引にかけた倍率(例:2.5倍)です。注文日時建玉を立てた日時(エントリー)です。注文価格/注文数量建玉時の価格と数量です。決済完了日時建玉を解消(決済)した日時です。損益(円)この1取引によって得た損益(円換算)です。※この他にも「拘束証拠金」「返却金額」「手数料」など多くの補足項目がありますが、損益額が明示されているため、まずはこの列を中心に確認すれば十分です。【手計算】総平均法で損益を確認するZaifから取得できるCSVファイルには、現物取引に関する詳細な履歴が記録されています。このデータをもとに、暗号資産の売却損益を手作業で計算することも可能です。ここでは、2025年のBTC取引を例に、「総平均法」での損益の計算方法について解説します。総平均法は、1年間の「買い取引」の合計金額と合計数量から平均取得単価を出し、「売却総額」と比較することで年間の損益を算出する方法です。平均取得単価 = 総取得金額 ÷ 総取得数量 損益額 = 総売却金額 -(平均取得単価 × 総売却数量)Step 1:関連する数値を抜き出すZaifの取引データのうち、2025年のBTC取引から以下の数値を整理します。【買い取引】取引種別価格数量取得金額2行目bid5,800,0000.21,160,0004行目bid5,700,0000.15855,0005行目bid5,600,0000.1560,000【売り取引】取引種別価格数量売却金額3行目ask6,200,0000.1620,0006行目ask6,400,0000.21,280,000Step 2:各項目の合計を算出する総取得数量:0.20 + 0.15 + 0.10 = 0.45 BTC総取得金額:1,160,000 + 855,000 + 560,000 = 2,575,000円平均取得単価:2,575,000 ÷ 0.45 = 5,722,222円総売却数量:0.10 + 0.20 = 0.30 BTC総売却金額:620,000 + 1,280,000 = 1,900,000円Step 3:損益額を算出する損益額 = 1,900,000 −(5,722,222 × 0.30) = 1,900,000 − 1,716,667 ≒ +183,333円の利益【手計算】移動平均法で損益を確認する次に、2025年のBTC取引を例に、「移動平均法」での損益の計算方法について解説します。移動平均法では、購入のたびに保有数量と保有額を更新し、その時点での平均取得単価を再計算します。売却時には、その時点の平均取得単価を用いて、都度、売却損益を計算する方法です。このため、1年間の合計ではなく、売却が発生するたびに損益を算出していきます。売却損益 = 売却金額 −(売却数量 × 売却時点の平均取得単価)※ 平均取得単価は、直前の「保有額 ÷ 保有数量」で都度更新※ 売却時は平均取得単価はそのまま、保有数量と保有額を減算Step 1:関連する数値を抜き出す取引履歴を「日時」順に並べ、以下のように保有数量・平均取得単価・保有額を順次更新していきます。売買数量価格取得金額保有数量平均取得単価保有額損益2行目買0.25,800,0001,160,0000.25,800,0001,160,000-3行目売0.16,200,000-0.15,800,000580,000+40,000円4行目買0.155,700,000855,0000.255,740,0001,435,000-5行目買0.15,600,000560,0000.355,700,0001,995,000-6行目売0.26,400,000-0.155,700,000850,714+140,000円項目説明補足・計算式売買「買」または「売」の別Zaifでは bid が買い、ask が売りに該当数量売買した暗号資産の数量小数点以下まで表示されることが一般的価格売買時の1単位あたりの価格円建て(BTC/JPYなど)で記録されます取得金額売買で動いた日本円の金額買いの場合のみ使用:数量 × 約定レート保有数量その時点で保有している通貨の合計数量買い:直前の保有数量 + 購入数量売り:直前の保有数量 − 売却数量平均取得単価1単位あたりの保有コスト買い時:保有額÷ 保有数量売り時:前回の単価を引き継ぎ保有額取得ベースでの総額(簿価)買い時:直前の保有額 + 取得金額売り時:保有額 −(平均取得単価 × 売却数量)Step 2:各売却明細の損益を算出する1回目の売却(0.10 BTC) 平均取得単価:5,800,000円 損益:620,000 −(5,800,000 × 0.10)= +40,000円2回目の売却(0.20 BTC) 平均取得単価:約5,671,429円 損益:1,280,000 −(5,700,000 × 0.20)= +140,000円Step 3:損益額を算出するSTEP2で求めた損益を合計します。合計損益:+40,000円 + 140,000円 = +180,000円の利益【損益計算ツール】クリプトリンクで損益を確認するここまで、Zaifの取引履歴をもとに手計算で損益を求める方法を紹介しましたが、実際には取引件数が多かったり、複数の通貨を扱っていたりと、手作業で正確な計算を続けるのは大きな負担になることもあります。そこでおすすめなのが、暗号資産の損益計算に特化した「クリプトリンク」の自動計算ツールです。ZaifからダウンロードしたCSVファイルをアップロードするだけで、以下のように、総平均法・移動平均法のどちらにも対応した損益計算結果を瞬時に確認できます。今回は、先ほど解説したサンプルデータ(BTC取引)を使い、クリプトリンクの計算ツールによる結果と、手計算による結果をそれぞれ比較してみました。ツールの計算画面は以下の通りです。【総平均】【移動平均】計算方法手計算の損益額クリプトリンクの結果総平均法+183,333円+183,333円移動平均法+180,000円+180,000円このように、クリプトリンクの計算結果と手計算の数値が完全に一致していることが分かります。これにより、ツールの計算ロジックの正確性が確認でき、安心して利用できることが実証されました。また、Zaifでの現物取引はもちろん、信用取引や入出金、ボーナスの履歴まで取り込んで一括管理できるため、損益の見落としや計算ミスの心配がないのも、ツールの大きな強みです。「正確に申告したいけど、細かい計算は不安…」という方は、ぜひクリプトリンクの損益計算ツールを活用してみてください。まとめZaifでは、現物取引だけでなく、信用取引やボーナス、入出金などさまざまな履歴がCSV形式で取得できるため、確定申告に向けて正確な損益を把握することが可能です。ただし、取引回数が多い場合や複数年にまたがる取引がある場合には、手作業で計算を行うのは手間もリスクも大きくなります。この記事では、Zaifの取引履歴のダウンロード方法から、総平均法・移動平均法による損益計算の手順、実際の計算例、そして損益計算ツール「クリプトリンク」での自動集計方法までをご紹介しました。手計算とツールの結果を比較したことで、クリプトリンクの精度の高さや利便性もご確認いただけたかと思います。初めて損益計算に取り組む方はもちろん、毎年の申告に備えて効率よく管理したい方にも、ツールの活用は大きな助けになります。Zaifをご利用中の方は、ぜひ本記事を参考に、ご自身の損益を早めに確認・整理してみてください。そして「面倒な作業はなるべく効率的に済ませたい」という方は、クリプトリンクの自動計算ツールもぜひご検討ください。関連記事CoinTrade(コイントレード)での取引の損益計算方法を解説!ツールと手計算でやってみたBACKSEAT(旧coinbook)の取引の収支計算方法を解説!総平均法・移動平均法とツール活用を紹介