仮想通貨(暗号資産)の取引で利益が出た場合、「税金はどうなるのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、仮想通貨にかかる税金の基本から、会社員を想定した所得別・利益別のシミュレーションまで、わかりやすく解説します。さらに、税金を抑えるためのポイントや活用できる仕組みも紹介していきますので、確定申告の準備や節税対策の参考として役立てていただければと思います。この記事の要約仮想通貨の利益は、売却・交換・商品購入・マイニング報酬・エアドロップなどが課税対象利益は「雑所得」として給与など他の所得と合算して課税される会社員は副収入が年間20万円を超えると確定申告が必要仮想通貨税金早見表で税金の目安を確認できる税金を抑えるには、売却タイミングの分散や損益通算が有効損益を把握するには、計算ツール「クリプトリンク」の活用がおすすめ仮想通貨で利益が出たら、税金はどうなる?仮想通貨(暗号資産)で売買や取引を行い、利益が出た場合は原則として課税の対象になります。代表的な課税対象となる取引のケースは以下の通りです。仮想通貨を売却仮想通貨同士の交換商品やサービスの購入マイニングやステーキング報酬、レンディング収益の受取エアドロップ会社員の場合、給与以外の副収入が 年間20万円を超えると確定申告が必要です。仮想通貨で得た利益もこの副収入に含まれるため、「ちょっとした利益」でも20万円を超えると申告対象になります。思わぬ申告漏れにならないよう、税金の仕組みを正しく理解しておきましょう。仮想通貨にかかる税金の基本基本情報として以下のルールを抑えておきましょう。仮想通貨の利益は税法上「雑所得」に分類される雑所得は給与や事業所得などの他の所得と合算され、総合課税の対象税率は所得に応じて変わり、所得税5%〜45% + 住民税10% がかかる(下図の国税庁の所得税率表に基づく)所得が増えるほど税負担も大きくなる「累進課税」が適用される【初心者必見】仮想通貨(暗号資産・ビットコイン)の税金とは?基本の計算から確定申告まで丸わかり仮想通貨の税金は所得別でどう変わる?5つのシミュレーションでは、実際にどれくらいの税金がかかるのか、会社員の方を想定してシミュレーションしてみましょう。ここでは、年収400万円から1,200万円までの5つのケースを取り上げ、それぞれ以下の数値を算出します。課税所得所得税+住民税のおおよその金額あくまで概算ですが、仮想通貨で利益が出た場合の税金のイメージをつかむ参考としてご覧ください。下図の税率をもとに計算しています。ケース① 年収400万円+仮想通貨利益50万円1.年収と仮想通貨利益を合計して課税所得を算出します。年収400万円 + 仮想通貨利益50万円 = 課税所得450万円2.所得税を算出します。(課税所得450万円の場合、所得税率20%、控除427,500円)課税所得450万円 × 所得税率20% - 控除427,500円 = 所得税472,500円3.住民税を算出します。(住民税率は一律10%)課税所得450万円 × 住民税率10% = 住民税450,000円4.所得税と住民税を合計すると目安の税額が算出できます。所得税472,500円 + 住民税450,000円 = 合計税額922,500円ケース② 年収600万円+仮想通貨利益100万円1.年収と仮想通貨利益を合計して課税所得を算出します。年収600万円 + 仮想通貨利益100万円 = 課税所得700万円2.所得税を算出します。(課税所得700万円の場合、所得税率23%、控除636,000円)課税所得700万円 × 所得税率23% - 控除636,000円 = 所得税974,000円3.住民税を算出します。(住民税率は一律10%)課税所得700万円 × 住民税率10% = 住民税700,000円4.所得税と住民税を合計すると目安の税額が算出できます。所得税974,000円 + 住民税700,000円 = 合計税額1,674,000円ケース③ 年収800万円+仮想通貨利益200万円1.年収と仮想通貨利益を合計して課税所得を算出します。年収800万円 + 仮想通貨利益200万円 = 課税所得1,000万円2.所得税を算出します。(課税所得1,000万円の場合、所得税率33%、控除1,536,000円)課税所得1,000万円 × 所得税率33% - 控除1,536,000円 = 所得税1,764,000円3.住民税を算出します。(住民税率は一律10%)課税所得1,000万円 × 住民税率10% = 住民税1,000,000円4.所得税と住民税を合計すると目安の税額が算出できます。所得税1,764,000円 + 住民税1,000,000円 = 合計税額2,764,000円ケース④ 年収1,000万円+仮想通貨利益300万円1.年収と仮想通貨利益を合計して課税所得を算出します。年収1,000万円 + 仮想通貨利益300万円 = 課税所得1,300万円2.所得税を算出します。(課税所得1,300万円の場合、所得税率33%、控除1,536,000円)課税所得1,300万円 × 所得税率33% - 控除1,536,000円 = 所得税2,754,000円3.住民税を算出します。(住民税率は一律10%)課税所得1,300万円 × 住民税率10% = 住民税1,300,000円4.所得税と住民税を合計すると目安の税額が算出できます。所得税2,754,000円 + 住民税1,300,000円 = 合計税額4,054,000円ケース⑤ 年収1,200万円+仮想通貨利益500万円1.年収と仮想通貨利益を合計して課税所得を算出します。年収1,200万円 + 仮想通貨利益500万円 = 課税所得1,700万円2.所得税を算出します。(課税所得1,700万円の場合、所得税率33%、控除1,536,000円)課税所得1,700万円 × 所得税率33% - 控除1,536,000円 = 所得税4,074,000円3.住民税を算出します。(住民税率は一律10%)課税所得1,700万円 × 住民税率10% = 住民税1,700,000円4.所得税と住民税を合計すると目安の税額が算出できます。所得税4,074,000円 + 住民税1,700,000円 = 合計税額5,774,000円仮想通貨税金早見表ここまで見てきたように、仮想通貨の利益は給与と合算されるため、年収が高いほど税率が上がり、同じ利益額でも税金の負担が重くなります。以下の表は、上記シミュレーションで仮想通貨で利益を得た場合の「税金目安」をまとめたものです。利益額ごとに、実際にどれくらい税金がかかるかをイメージしてみましょう。年収仮想通貨利益50万円仮想通貨利益100万円仮想通貨利益200万円仮想通貨利益300万円仮想通貨利益500万円400万円税金約92万円約107万円約137万円約167万円約233万円600万円税金約152万円約167万円約200万円約233万円約319万円800万円税金約217万円約233万円約276万円約319万円約405万円1,000万円税金約298万円約319万円約362万円約405万円約491万円1,200万円税金約384万円約405万円約448万円約491万円約577万円※いずれも「所得税+住民税の目安額」であり、控除や扶養状況によって実際の金額は変わります。税金を抑えるためのポイント上記のシミュレーションを参考にしてみて、思ったより税金が高いと感じた方もいるかもしれません。実は、仮想通貨で利益が出た場合でも、工夫次第で税金の負担を軽くすることができます。ここでは代表的な方法をいくつかご紹介します。売却のタイミングを分散する一度に大きな利益を確定すると、高い税率が適用されてしまいます。複数年に分けて売却することで、課税所得を分散させ、税率を抑えられる場合があります。損益通算を活用する他の仮想通貨で損失が出ている場合、その損失と利益を相殺することで、課税対象となる利益を圧縮できます。値がつかなくなった通貨や取引できない通貨の活用取引が停止している通貨や価値がなくなった通貨は、「クリプトリンク・トラッシュ」を利用することで、損失として計上できる可能性があります。これらの節税の仕組みについては、クリプトリンクの節税ガイドでも詳しく解説されていますので、あわせて参考にしてみてください。まとめ本記事では、暗号資産の税金の基本と、所得別・利益別のシミュレーションをご紹介しました。ご自身の税額がどれくらいになるか、イメージできたでしょうか。税金を正しく把握するためには、まず取引でどれくらいの損益が出ているかを計算することが重要です。手作業の計算は複雑になりやすいため、暗号資産向けツール「クリプトリンク」 を活用して、正確かつ効率的に利益を確認してみてはいかがでしょうか。確定申告シーズンになって慌てないよう、年内のうちに取引履歴を整理し、損益を把握しておくことをおすすめします。関連記事仮想通貨(暗号資産)で損失が出た!確定申告は必要?不要?税金や計算方法も説明海外取引所で仮想通貨取引した時の税金は?注意点や税金発生タイミングを解説仮想通貨のマイニングの税金・確定申告とは?経費や計算方法まで詳しく解説