レバレッジ取引といえば、おそらく最も知られているのは為替FXにおいて10倍などの倍率をかけて取引をすることだと思います。ですが、実は仮想通貨でもレバレッジをかけて取引ができることをご存じでしょうか?そこで今回は、仮想通貨取引でレバレッジをかけて運用したい方に向けて仮想通貨取引でレバレッジをかけるってどういうこと?レバレッジをかけた取引ができる取引所はあるの?レバレッジをかけた時の損益計算や税金はどうすれば?こうした疑問にお答えするとともに、初心者向けにレバレッジ取引のメリットやリスクについてもわかりやすくまとめていきます。この記事の要約仮想通貨のレバレッジ取引とは、預け入れた自己資金(証拠金)を担保に、その数倍の金額で仮想通貨を運用できる仕組みレバレッジ取引には、少額からでも大きな利益を狙える、下落相場でも「ショート」で利益を狙え、トレード戦略の幅が広がるといったメリットがある一方で、損失も倍率で拡大する、強制ロスカットの執行がある、ボラティリティが大きく長期保有もできないため資産が安定しないといったデメリットがある初心者がレバレッジ取引をする際には、低倍率から始め、余裕資金で行い、損切りルールを徹底した上で、国内取引所で練習するのがおすすめレバレッジ取引は買いまたは売りのポジションを決済したタイミングで損益が発生し、税金の所得区分として基本的に雑所得に計上される仮想通貨のレバレッジ取引とは?レバレッジ取引(証拠金取引)とは「預け入れた自己資金(証拠金)を担保に、その数倍の金額を取引できる仕組み」のことで、たとえば「レバレッジを10倍かけた取引」というと「1万円の証拠金で10万円分の取引ができる」という形態の取引です。株式の信用取引やFXではメジャーな取引形態ですが、実は仮想通貨でも取引所によってこのレバレッジ取引ができるところがあります。とはいっても、仮想通貨だからといって特別なことはなく、他のレバレッジ取引同様、預け入れた証拠金に対して既定の倍率をかけた取引ができるという点に変わりはありません。ほとんどの場合、実際に現物や資金が動くわけではなく、決済時に、取引開始時と決済時での差額にレバレッジをかけた分だけ損益が得られる差金決済取引(CFD)が提供されています。ちなみに、国内FXでは個人投資家のかけられる最大レバレッジが25倍までと金融庁により規制されている一方で、仮想通貨では個人は2倍までに規制されています。ひとえにボラティリティの大きさのため投資家に過度なリスクがかからないようにする規制ですが、海外取引所ではより大きなレバレッジがかけられることがありますのであまりに大きなリスクを負わないように注意が必要です。レバレッジ取引のメリットレバレッジ取引のメリットには以下のものがあります。少額からでも大きな利益を狙える下落相場でも「ショート」で利益を狙え、トレード戦略の幅が広がるやはり最大のメリットとして、決済時に現物の利益に対してレバレッジ倍率分をかけた利益が得られるので、少額の投資でも現物取引の何倍という大きな利益が狙える点があります。そして、レバレッジ取引では「ショート」と呼ばれる下落相場で利益を狙える取引が行えるため、下落相場では利益が見込めない現物取引と比べてトレード戦略の幅が広がります。レバレッジ取引のデメリット・リスクレバレッジ取引のデメリット・リスクには以下のものがあります。損失も倍率で拡大する強制ロスカットの執行があるボラティリティが大きく長期保有もできないため資産が安定しない当然ですが、レバレッジをかけるということは損失が出た場合に損失がそれだけ拡大するということです。仮想通貨はボラティリティが大きい商品ですので、金融庁が定めている最大倍率2倍でも損失が非常に大きくなる可能性もあるので注意が必要です。レバレッジ取引では、あまりにも損失が拡大すると判断された際に強制ロスカット(損切り)とよばれる強制的な決済が発生することがあります。現物取引では、急落した際に「もしかしたら上がるかも」という考えから保有を続けることができますが、レバレッジ取引ではこの強制ロスカットによって急落時に自動的に損失が確定してしまうリスクがあります。仮想通貨取引はボラティリティが大きいため、レバレッジ取引による損益も非常に大きくなりがちで、先述の強制ロスカットが存在する影響で長期保有が基本的にできないため、資産が安定しません。レバレッジ取引はどのような投資戦略でも使える取引形態というわけではないので、自身の戦略に合わせて上手く選択していきましょう。初心者がレバレッジをかけるときの注意点初心者がレバレッジをかけるときの注意点として、以下のポイントが挙げられます。低倍率から始める余裕資金で行うこと損切りルールを徹底する海外取引所では高倍率もかけられてしまうため国内取引所でまず練習するのがおすすめ初心者の方は、操作ミスや差益にかかる倍率の感覚を養うためにも、高倍率には手を出さずに必ず低倍率の取引から始めましょう。他の取引形態でも当たり前のことではありますが、特にレバレッジ取引では損失が倍率分大きくなり、致命的な損失を受けやすいので必ず余裕資金で行うことを徹底しましょう。その上で、現物取引よりも明確に損切りのルールを決めておきましょう。損失が急激に拡大しやすく、強制ロスカットのリスクもあるため、現物取引と比べても素早い判断と十分な余裕資金での投資が求められますので、事前に損切りルールを明確化しておく必要があります。また、海外取引所では10倍などの高倍率がかけられてしまうので、まず倍率が2倍までに規制されている国内取引所から始めていきましょう。レバレッジ取引におすすめの国内取引所レバレッジ取引ができる国内取引所を紹介します。取引所最大レバレッジ対応銘柄数取引手数料BTC最小発注量ロスカットルールSBIVCトレード2倍13種類メイカー:-0.01%テイカー:0.05%0.00000001 BTC証拠金維持率が80%以下になるGMOコイン2倍13種類無料0.001 BTC証拠金維持率が75%を下回った場合bitbank2倍3種類メイカー:-0.02%テイカー:0.12%0.0001 BTC(建玉数量 × 平均建値)× リスク想定比率が証拠金を上回るbitFlyer2倍1種類無料0.001 BTC証拠金維持率が低下し 50% に達した時点BitTrade2倍1種類無料0.001 BTC証拠金維持率が100%を下回った場合楽天ウォレット2倍9種類メイカー:-0.01%その他無料0.01 BTC証拠金維持率が100%を下回る※個人投資家の場合・2025年9月3日確認レバレッジの最大倍率は金融庁によって規制されているため、個人投資家であればどこも2倍までで統一されています。レバレッジ取引は利用できる銘柄が現物取引と比べても圧倒的に少ないため、投資したい銘柄がある場合にはどの取引所で取り扱いがあるか事前に確認しておきましょう。また、強制的に注文が失効したり、決済されてしまうロスカットルールも取引所や取引形態によって異なってきますので、取引前にしっかりとヘルプページなどを読み込んでおきましょう。レバレッジ取引の損益計算・税金はどうなる?では、取引をした後、レバレッジ取引の損益計算や税金はどうなるのでしょうか。仮想通貨のレバレッジ取引の場合、買いまたは売りのポジションを決済したタイミングで利益または損失が発生します。FXなどと同じように損益の受領通貨が法定通貨であればそのままその金額が損益として計上されますが、仮想通貨取引の場合は損益受領通貨が仮想通貨である場合があります。その場合、決済時に受け取った「仮想通貨の数量×受取時点の時価」が損益となります。また、税金については、個人投資家の場合、仮想通貨取引で得た利益は基本的に「雑所得」に計上して計算することになります。詳しくは以下の記事で具体例とともに解説していますので、こちらをご確認ください。仮想通貨(暗号資産)でFXをした時の税金とは?現物との違いや損益計算方法も解説!まとめここまで、仮想通貨のレバレッジ取引のメリット・デメリットからレバレッジ取引ができる取引所、損益計算について解説してきました。レバレッジ取引は、その他の取引形態と比べても現物取引と似ており、現物取引に慣れた初心者の方にとって比較的手が出しやすい取引形態です。その反面、金融庁による規制などがあるとはいえ、仮想通貨のボラティリティの大きさを考えると低倍率でも大きな損失に繋がりかねない高リスクな取引形態でもあります。現物取引と同じ感覚で取引をしてしまうと、想定外の大きさの損失になったり、強制ロスカットされてしまったりと泣きを見てしまう可能性があります。上手く用いれば下落相場でも利益が出せる便利な取引ではあるので、ハイリターンな一方ハイリスクであることを十分に理解した上で、明確な投資戦略とルールを決めて上手に活用していきたいですね。関連記事仮想通貨(暗号資産)でFXをした時の税金とは?現物との違いや損益計算方法も解説!【初心者必見】仮想通貨(暗号資産・ビットコイン)の税金とは?基本の計算から確定申告まで丸わかり