ドージコイン(DOGE)といえば、ミームコインの走りとして知られ、2025年12月現在では仮想通貨の時価総額ランキングで9位に入っており、一定の地位を築いています。国内取引所でも取引できるところが多くあり、実際に取引したという方も多いのではないでしょうか。しかし、ドージコインがどういった経緯で今の価値を築いたのか、知っている方は多くないと思います。そこで今回はドージコインはミームコインながらどうやって今の価値を築いたの?これからドージコインの取引をしたいから過去の出来事を知っておきたいドージコインの歴史を学びたい!といった方に向けて、ドージコインの歴史をわかりやすく解説していきます。この記事の要約ドージコインとは、2013年に開発された最初のミームコインで、柴犬の画像のミーム「Doge」をモチーフにして作られた2013年にBilly Markus氏とJackson Palmer氏によって開発され、コミュニティの人気による高騰と急落、ハッキング事件などがローンチ直後に発生した2014年にはソチ冬季オリンピック出場のジャマイカのボブスレーチームの支援やNASCARの車両のスポンサードをドージコミュニティが行った2017年に仮想通貨バブルを経験し大きく価格を伸ばし、2019年にはイーロン・マスク氏が「お気に入りになるかも」と発言したことで注目を集めた2021年にはイーロン・マスク氏のTwitterおよびSNL出演時の発言により乱高下を記録、同時期にドージコイン財団が再設立された2022年、米テスラ社がグッズ購入にドージコイン決済を導入、2025年にはドージコイン現物ETFが上場されるなど決済通貨・金融商品として成長を続けているドージコイン(DOGE)とは?ドージコイン(DOGE)は、ソフトウェアエンジニアのBilly Markus氏とJackson Palmer氏によって2013年に開発された「最初のミームコイン」です。当時インターネット・ミームとして知られていた柴犬の画像のミーム「Doge」をモチーフにして作られたもので、仮想通貨業界への風刺のために開発されました。ミームコインは、インターネットで人気のあるミームをテーマにして作られている仮想通貨で、コミュニティの盛り上がりの影響を強く受けて価格が大きく動きます。ドージコインは、2021年に米電気自動車メーカーのテスラ社CEOイーロン・マスク氏が当時のTwitter(現X)でドージコインに言及したことでコミュニティは非常に盛り上がり、一気に価格を伸ばした出来事が知られています。他にも、イーロン・マスク氏とドージコインの関わりが深く、たとえば2023年にはTwitterのアプリに表示されるロゴがドージコインのロゴに変更されたことでも話題となりました。ミームコインはこうした性質上、資産としては非常に不安定でリスクが高い傾向にありますが、ドージコインはドージチェーンなどのプロダクトが開発されたり、テスラ社が決済通貨として採用したりと、単なるミームコインに留まらない発展を見せています。2025年11月には米国でドージコイン現物ETFが承認・上場され、大きな話題となりました。ドージコインの歴史年表ドージコインの歴史を簡単に年表形式で紹介します。時期出来事2013年12月Billy Markus氏とJackson Palmer氏によって開発2014年1月ドージコインコミュニティでソチ冬季オリンピック出場のジャマイカのボブスレーチームを支援2014年3月ドージコインコミュニティでNASCAR車両のスポンサードを実施2017年11月ドージコイン初の仮想通貨バブル2019年4月イーロン・マスク氏の「お気に入りになるかも」発言で話題に2021年1月イーロン・マスク氏がTwitterでドージコインに言及し、注目を集める2021年5月SpaceX社、DOGE-1ミッションを発表2021年5月イーロン・マスク氏がSNLに出演し、ドージコインに言及2021年8月ドージコイン財団が再設立2022年1月米テスラ社、ウェブサイトでのグッズ購入にドージコイン決済を導入2025年11月Grayscale社のドージコイン現物ETF「GDOG」が米SECの承認を受け、NYSE Arcaに上場ドージコインの誕生(2013年)「ジョーク通貨」としての開発2013年12月6日、ドージコインがローンチされました。ドージコインは、ソフトウェアエンジニアのBilly Markus氏とJackson Palmer氏によって開発されました。彼らはビットコインよりも幅広い層にリーチできるP2Pのデジタル通貨の開発を目指し、さらに他のコインの論争の歴史から遠ざけたいとも考えた結果、ミームを用いて仮想通貨業界を風刺する「ジョーク通貨」としてドージコインを考案しました。ちなみに、ドージコインがモチーフとしている柴犬の画像のミーム「Doge」の元ネタとなっている柴犬は日本の「かぼすちゃん」という柴犬で「世界一有名な柴犬」と呼ばれています。コミュニティの成長と乱高下ドージコインは専用のオンラインコミュニティまで作られ、ローンチから30日間で「Dogecoin.com」への訪問者は100万人を超えるほど話題になりました。大きな話題になると同時に、ドージコインにはローンチ後の30日間でさまざまな出来事が起こります。2013年12月19日、ドージコインの価格は72時間で0.00026ドルから0.00095ドルへ3倍以上の高騰を見せましたが、その3日後、大規模な売却により80%急落します。2013年12月24日には、インド準備銀行からドージコインを含む仮想通貨の利用者にリスク勧告が出されました。さらに、2013年12月25日には、仮想通貨ウォレットのひとつである「dogewallet.com」から少なくとも1,100万DOGEが盗まれるというドージコイン最初のハッキング事件が起こりました。こうしてドージコインは波乱のスタートを切ることとなりました。コミュニティ文化の拡大(2014〜2016年)ジャマイカのボブスレーチーム支援2014年、ソチ冬季オリンピックでジャマイカのボブスレーチームは出場資格を得たものの、資金不足により開催地への渡航費や機材を賄うことができない状況でした。このニュースを知ったドージコインのコミュニティは、ドージコインを用いた資金調達キャンペーンを実施し、わずか20日間で目標額をはるかに上回る約2,600万DOGE(当時の価格で約3万ドル相当)を集め、チームのオリンピック参加を支援しました。この出来事は、ミームコインのコミュニティによって成功した慈善活動の最初の事例として話題となり、ドージコインのイメージ向上に繋がりました。また、Dogeのミームとボブスレーを組み合わせたミーム画像や動画が投稿され、インターネット上でも話題となり、コミュニティの拡大にも繋がりました。NASCAR車両のスポンサードコミュニティでは、ボブスレーチームの支援に続いてスポンサードも行われました。ドージコミュニティは2014年3月、「NASCAR」という米国最大のモータースポーツ統括団体が主催する同名のストックカーレースにおいて、車両のスポンサードを行いました。このスポンサードはクラウドファンディングによって資金が集められ、約6,780万Doge(当時の価格で約55,000ドル相当)が調達されました。これにより、車体にDogeのミーム、柴犬の画像がデザインされた車両が出場することとなり、「ドージカー」「ムーンロケット」の愛称で注目を集めました。このスポンサーシップは、仮想通貨とインターネットミームがスポーツイベントに持ち込まれた初期の事例として話題となりました。価格上昇と市場での存在感(2017〜2020年)2017年バブルで初の大きな価格上昇2017年後半、仮想通貨市場全体にバブル景気が訪れます。2017年、ビットコインを筆頭に一気に価格が急騰し、ドージコインもそれに続いて高騰、ドージコインにとって初めてのバブルとなりました。2017年11月はじめには1DOGEあたり0.13円程度だったところから、2018年1月のピーク時には1.9円超に達し、3カ月足らずでなんと10倍以上もの急騰を遂げました。しかし、2018年2月はじめには0.4円前後にまで急落しており、市況全体の傾向とはいえ、ミームコインのリスクが浮き彫りになった時期でもあります。イーロン・マスクの言及で注目度が急上昇2019年4月2日、米テスラ社CEOのイーロン・マスク氏が当時のTwitterにて「Dogecoin might be my fav cryptocurrency. It’s pretty cool.」(ドージコインはお気に入りになるかも、クールな通貨だ)と発言し、注目を集めました。この発言の直後、ドージコインの価格は急激に上昇します。この発言の直前まで1DOGEあたり0.22円程度だったところから、発言の3日後、4月5日には0.41円とほぼ2倍にまで急騰しました。その後、0.27円程度にまで急落するものの、以後半年程度は発言前の0.22円前後の水準にまで戻ることなく、高い価格水準を維持していきました。この出来事からイーロン・マスク氏とドージコインの関係が始まり、イーロン・マスク氏の発言がコミュニティから注目されていくこととなります。史上最大の急騰と世界的ブーム(2021年)「Doge to the Moon」で世界的に注目仮想通貨市場において「to the moon」とは「月まで届くほどの高騰」を意味し、高騰を期待している通貨に対してSNSなどでよく用いられます。2021年1月、イーロン・マスク氏がドージコインに言及したことで急騰し、ドージコインのコミュニティを中心としてSNSなどで「Doge to the Moon」の合言葉で盛り上がりました。さらに、2021年5月、イーロン・マスク氏がCEOを務めるSpaceX社は、早ければ来年にもDOGE-1ミッションのロケットを打ち上げ、その費用をドージコインで支払うと発表しました。DOGE-1ミッションとは、小型の人工衛星を月に送ることを目的とした月探査ミッションのことで、この発表と後述の影響もありドージコインは2021年5月のピーク時には1DOGEあたり70円前後にまで急騰しました。イーロン・マスクのメディア出演による乱高下2021年5月8日、イーロン・マスク氏が米NBCの人気娯楽番組「Saturday Night Live」(SNL)に出演しました。この番組に出演するとのことでドージコインコミュニティは盛り上がり、番組内でドージコインについて言及されると急騰。しかし、番組内でイーロン・マスク氏が「ドージコインは博打だ」と発言してしまい、これを受けてドージコインの価格は一気に崩れていきました。これにより、イーロン・マスク氏の出演まで1DOGEあたり70円前後の高価格帯で推移していたところから、たった2日で50円弱にまで、実に30%近くも急落しました。ドージコイン財団の再設立2021年8月、「Dogecoin Foundation」(ドージコイン財団)が活動を再開することを発表しました。ドージコイン財団自体は2014年に設立されていたものの、公式SNSの更新が2018年に止まっており、事実上休止状態が続いていました。再設立にあたって、ドージコイン財団はドージコインブロックチェーンの未来を推進することを目的に掲げ、以下の活動に注力していくこととしています。開発や支援を通してドージコインをサポートドージコインの商標の保護ドージコインのロードマップ作成やガバナンスに参加また、アドバイザーとして、イーサリアムの創設者Vitalik Buterin氏を招き、体制の強化も図りました。決済通貨・金融商品としての成長(2022年以降)決済通貨としての活用2022年1月、米テスラ社が自社のウェブサイト上でホイッスルなど一部のグッズをドージコインを用いて購入できるようにしました。これは2021年末からイーロン・マスク氏が予告していた取り組みであり、これによりドージコインは一時的に高騰し、それまで1DOGEあたり17円程度だったところから21円前後にまで急激に上昇しました。ドージコイン決済はこれ以後広がりを見せ、同じくイーロン・マスク氏がCEOを務めるSpaceXのWebストアはもちろんのこと、ファッションブランドのGucciも一部店舗でドージコイン決済を受け付けています。ドージコイン現物ETFの承認と上場2025年11月24日、ドージコインの現物ETFが米国証券取引委員会(SEC)により承認の後、上場され、米国初のドージコイン現物を直接保有する形式での純粋な現物ETFとして話題となりました。これはGrayscale社が取り扱う商品で、「Grayscale Dogecoin Trust ETF」(GDOG)としてニューヨーク証券取引所アルカ(NYSE Arca)で取引が開始されました。しかし、ビットコインやイーサリアム、XRPなどの現物ETFが初日から記録的な取引高を叩き出し成功と見なされる中、GDOGの初日の取引量は114万ドルとアナリストの予測や市場の期待を大きく下回るものとなりました。まとめここまでドージコインの歴史について紹介してきました。ドージコインは最初のミームコインとして、著名人の発言による高騰・暴落から、コミュニティの結束力をいかした寄付・スポンサードと、他の仮想通貨にはないミームコインらしい独特な歴史を歩んできました。現在ではドージコインから派生したシバイヌコインをはじめ、さまざまなミームコインが市場に名を連ねていますが、2025年12月現在、ドージコインは仮想通貨の時価総額ランキングで9位とミームコイントップの立場を不動のものとしています。米SECから現物ETFの承認を受け上場もされるなど、ミームコインながら単なるジョーク通貨に留まらない金融資産としての立ち位置も確立され、今後の発展にも期待が持たれています。とはいえ、イーロン・マスク氏との関わりが濃く、彼の発言やコミュニティの動向によって大きく値動きするリスクがなくなったわけではないので、慎重な投資を心がけていきたいですね。関連記事仮想通貨のミームコインとは?特徴や買い方、注意点、損益計算方法を網羅的に解説ドージコインに税金はかかる?課税対象・確定申告・損益計算をやさしく解説