CoinTrade(コイントレード)は、国内の暗号資産取引所の一つで、現物取引を中心に、さまざまな銘柄の売買サービスを提供しています。積立運用とステーキングを組み合わせた自動運用機能もあり、長期的な資産形成を目指すユーザーにも適した取引所といえます。さらに、「1円から始められる積立投資」といった初心者でも始めやすい機能に加えて、外部ポイントサービスとの連携など、日常生活との親和性の高いサービスもあり、これから暗号資産に触れてみたいという方にも使いやすい取引所です。この記事を読んでいる方の中にも、CoinTradeで取引をしている人がいるのではないでしょうか?ただ、取引をしたら必ずやるべき大事なことが「収支計算」です。そこで本記事では、CoinTradeを利用している方向けに、CoinTradeの基本的な特徴取引履歴のダウンロード方法総平均法・移動平均法を使った手計算のやり方クリプトリンクの自動損益計算ツールの活用方法などをわかりやすく解説していきます。取引量が多くない方でも、ご自身で損益を確認できるようになりますので、ぜひ参考にしてください。この記事の要約CoinTradeは、現物取引に加えて積立・ステーキング機能も提供する国内の暗号資産取引所CoinTradeの取引履歴は、月別にCSV形式でダウンロード可能(TRADE_RECORD/CASHFLOW)ダウンロードしたデータを使って、総平均法・移動平均法による手計算のやり方を解説クリプトリンクの損益計算ツールを使えば、CoinTradeの取引履歴を自動で読み込み、正確な損益計算ができるCoinTrade(コイントレード)とはどんな取引所?CoinTrade(コイントレード)は、旧Huobi Japanの事業を引き継ぐ形で誕生した、国内登録の暗号資産取引所です。ビットコインやイーサリアムなどの主要通貨に限らず、多様な銘柄を取り扱っており、2025年7月時点で23種類の暗号資産が売買可能です。現物取引を中心に、長期投資向けの「積立運用」や「ステーキング」などの資産形成サポート機能も充実しています。✅ CoinTradeで利用できる主なサービス一覧カテゴリ内容備考現物取引(スポット)日本円で暗号資産を売買23種類の通貨に対応(2025年7月時点)仮想通貨の交換暗号資産同士の交換(例:BTC⇄ETH)日本円を介さず交換できる場合あり積立運用毎日または毎月の自動購入最低500円〜。ドルコスト平均法に対応ステーキング対象通貨を預けて報酬を得るCoinTrade Stakeとして提供積立+ステーキング積立した通貨を自動でステーキング購入から運用までを一括で実行可能レンディング暗号資産を貸し出し、期間終了後に利息を得るCoinTrade Lendとして提供、対象通貨・期間は随時更新日本円の入出金銀行振込による入出金に対応クイック入金は非対応暗号資産の入出庫外部ウォレットとの送金・受取が可能通貨ごとにアドレスが発行されるポイントサービス連携外部のポイントサービスと連携し、付与されたポイントを暗号資産に交換可能CoinTradeポイント経由での資産運用に対応このように、CoinTradeはシンプルな現物取引から資産運用まで対応した取引所です。売買益だけでなく、積立やステーキングによる収益も含めた損益管理が重要になります。CoinTradeの取引履歴データをダウンロードCoinTradeでは、取引や入出金の履歴をCSV形式でダウンロードすることができます。確定申告や損益計算に必要な「TRADE_RECORD(取引履歴)」および「CASHFLOW(入出金履歴)」は、以下の手順で取得してください。CoinTradeにログイン後、左メニューの「報告書」>「損益計算用データ」タブを開き、対象月の「ZIP」リンクをクリックすると、取引履歴(TRADE_RECORD)や入出金履歴(CASHFLOW)などが含まれたZIPファイルをダウンロードできます。※ スマートフォンやアプリではCSV出力機能が使えないため、PCブラウザで操作してください。このZIPファイルを解凍すると、損益計算に必要な複数のCSVファイルがまとめて取得できます。CoinTradeの取引データの見方を解説CoinTradeからダウンロードしたZIPファイルを解凍すると、複数のCSVファイルが含まれています。その中でも、損益計算を行う際に特に重要なのが以下の2つです。TRADE_RECORD_YYYYMM.csv(取引履歴)CASHFLOW_YYYYMM.csv(入出金履歴)この2つのファイルには、暗号資産の売買や通貨の移動、ステーキングなどの詳細な記録が含まれており、正確な損益計算に欠かせません。ここでは、それぞれのファイルに含まれる主な項目と見方を解説します。1. TRADE_RECORD(取引履歴)ファイルの見方このファイルには、CoinTrade上で行われた現物取引の記録(売買の明細)がまとめられています。1行が1取引に対応しており、損益を算出するための基本情報が揃っています。項目名内容約定日時注文が成立(約定)した日時です。損益計上日はここが基準となります。取引番号それぞれの取引に付けられた固有の識別番号です。取引区分「現物」と記載されます。CoinTradeは現物取引のみ提供しています。銘柄取引した通貨ペア(例:BTC/JPY、ETH/JPYなど)が記載されます。売買「買」または「売」いずれかが記載され、取引の方向がわかります。数量売買した暗号資産の数量です。銘柄ごとに単位が異なります。約定レート1単位あたりの日本円価格です。このレート × 数量 が取引額になります。取引手数料この取引で発生した手数料です。通常は0円のことが多いですが、時期により異なる場合があります。2. CASHFLOW(入出金履歴)ファイルの見方こちらのファイルには、暗号資産や日本円の入出金、ステーキング、報酬受け取りなどの記録がまとめられています。売買にともなうJPYや仮想通貨の出入りもこのファイルに記録されます。項目名内容日時入出金または取引が発生した日時です。入出金の種別「現物取引」「入庫」「出庫」「報酬」「ロック開始」など、操作の種類が記載されています。通貨対象となる通貨名(JPY、BTC、ETH、IOSTなど)です。数量入金時はプラス、出金時はマイナスで記載されます。評価レート通貨を円換算するためのレートです。入出金額(円)数量 × 評価レートで算出される日本円換算額です。残高情報行末の各通貨ごとの残高欄には、当該日時時点での保有状況が記録されています。備考現物取引番号やステーキングに関する補足情報が記載されます。これら2つのファイルを照らし合わせることで、「いつ・どの通貨を・いくらで売買したか」「入出金や報酬がいくら発生したか」を正確に把握できます。今回は、先ほども紹介した以下の取引履歴と入出金履歴を使って、代表的な2つの計算方法「総平均法」と「移動平均法」での計算のやり方を解説します。なお、CASHFLOWファイルには「入庫」や「ロック開始」など、損益に直接影響しない取引も含まれています。これらの種別は取得価格の計算対象にはならないため、今回のような損益の計算では考慮しません。【手計算】総平均法で損益を確認する総平均法は、すべての取得価格の平均をもとに、売却時の損益を計算する方法です。総平均法の計算式は以下のようになります。平均取得単価 = 総取得金額 ÷ 総取得数量損益額 = 総売却額 -(平均取得単価 × 総売却数量)Step 1:関連する数値を抜き出すまずは、CoinTradeの TRADE_RECORDに含まれる「買」および「売」の取引から、次のような表を作成します。※同様の情報は、CASHFLOWからも取得可能です。CASHFLOWファイルには、現物取引による日本円や暗号資産の出入りが記録されているため、JPY建ての入出金額とETH数量から取得金額や売却金額を整理できます。【買い取引一覧】数量約定レート取得金額2行目0.53900001950003行目0.44100001640005行目0.6400000240000【売り取引一覧】数量約定レート売却金額4行目0.34300001290006行目0.5445000222500Step 2:各項目の合計を算出する総取得金額と数量(買い取引から算出)総取得金額:195,000 + 164,000 + 240,000 = 599,000円総取得数量:0.5 + 0.4 + 0.6 = 1.5 ETH平均取得単価を計算します。平均取得単価 = 599,000 ÷ 1.5 ≒ 399,333円総売却額と数量(売り取引から算出)総売却金額:129,000 + 222,500 = 351,500円総売却数量:0.3 + 0.5 = 0.8 ETHStep 3:損益額を算出するSTEP2で求めた数値を総平均の計算式に当てはめると、損益額 = 総売却額 -(平均取得単価 × 総売却数量) = 351,500 - (399,333 × 0.8) = +32,034円32,034円の利益が出ていることが分かります。【手計算】移動平均法で損益を確認する移動平均法は、購入のたびに取得単価を更新し、売却時点での平均単価を使って損益を計算する方法です。購入と売却の順序が重要になるため、時系列でデータを整理します。移動平均法の計算式は、売却が行われるたびに、損益額 = 売却額 -(その時点の平均取得単価 × 売却数量)を算出します。Step 1:関連する数値を抜き出すTRADE_RECORDファイルを「約定日時」順に並べて、取引履歴を時系列で整理します。なお、CASHFLOWファイルでも「日時」列を基準に売買に対応する出金・入金履歴をたどることで、購入・売却の金額・数量を把握できます。売買ごとにETHとJPYの出入りが記録されているため、各取引に紐づく取得金額や売却金額を構成可能です。売買数量約定レート取得金額保有数量平均取得単価保有額2行目買0.5390,000195,0000.5390,000195,0003行目買0.4410,000164,0000.9398,889359,0004行目売0.3430,000-0.6398,889239,3335行目買0.6400,000240,0001.2399,444479,3336行目売0.5445,000-0.7399,444279,611各列の意味は以下のとおりです。売買 / 数量 / 約定レート取引の種別(買 or 売)と、売買した通貨の数量、取引時のレートです。これらは取引履歴ファイル(TRADE_RECORD)の情報をそのまま使用します。取得金額買い取引時に発生する費用で、以下の計算式で求めます。取得金額 = 数量 × 約定レート保有数量その時点で保有している通貨の量です。「買い」の場合:直前の保有数量 + 購入数量「売り」の場合:直前の保有数量 − 売却数量平均取得単価その時点で保有している通貨の1単位あたりの平均取得価格です。「買い」の場合:(直前の保有額 + 取得金額) ÷ 保有数量「売り」の場合:直前の平均取得単価をそのまま引き継ぎます保有額その時点で保有している通貨の簿価(取得ベースの合計金額)です。「買い」の場合:直前の保有額 + 取得金額「売り」の場合:直前の保有額 −(平均取得単価 × 売却数量)Step 2:各売却明細の損益を算出するStep 1で作成した表をもとに、「売」取引が発生したタイミングでの損益を1件ずつ算出していきます。4行目の損益 平均取得単価=398,889円 売却数量=0.3 売却額=129,000円 損益=129,000 - 398,889 × 0.3 ≒ +9,333円6行目の損益 平均取得単価=399,444円(直前の買い後) 売却数量=0.5 × 399,444 ≒ 199,722円 売却額=222,500円 損益=222,500 - 399,444 × 0.5 ≒ +22,778円Step 3:損益額を算出するStep 2で売却ごとに計算した損益をすべて合計することで、対象期間の総損益額を求めます。合計損益:+9,333円 + 22,778円 = +32,111円32,111円の利益が出ていることが分かります。【損益計算ツール】クリプトリンクで損益を確認するCoinTradeでは、月ごとに「損益計算用データ(CSV)」をダウンロードできますが、内容には売買履歴や通貨の移動、ステーキング報酬などが含まれており、件数が多い場合や複数通貨を扱っている場合には手計算では非常に煩雑になります。こうした場合には、クリプトリンクの損益計算ツールの活用をおすすめします。CoinTradeにも対応!自動で正確な損益を算出クリプトリンクでは、CoinTradeが提供しているZIP形式のCSVファイルに含まれるCASHFLOWファイルに対応しており、これをアップロードするだけで、売買履歴や通貨の移動、ステーキング報酬などを含めた損益を自動で集計・計算できます。主な特徴は以下のとおりです。月別のCASHFLOWファイルをアップロードするだけで取引明細を自動取込複数銘柄や取引種別(現物売買、入出金、積立など)を一括処理総平均法・移動平均法の両方に対応年間の損益計算書・申告書類用PDFの出力も対応面倒な計算をすべて自動で行えるため、正確性と手間の削減を両立できるツールで算出された損益と手計算との比較今回は、2025年3月にCoinTradeで行われたETHの売買をもとに、手計算で損益額を算出し、その結果とクリプトリンクのツールで自動計算された結果を比較しました。以下は、実際にツールで計算した画面キャプチャです(※計算方法は総平均法/移動平均法の両方を選択可能です)。【総平均法の損益計算結果】 【移動平均法の損益計算結果】手作業で行った計算と、ツールで算出された損益額にはわずかな差異がありましたが、これは小数点以下の丸め処理や表示の違いによるもので、実際の損益判断に影響はありません。手計算の過程と照らし合わせることで、クリプトリンクの損益計算ツールが高い精度で取引内容を再現していることが確認できます。これにより、CoinTradeでの複雑な損益計算も安心して任せることができ、確定申告に必要な情報もすぐに整えられます。まとめCoinTradeは、現物取引だけでなく、積立運用やステーキングといった長期的な資産形成にも対応した取引所です。2025年7月時点で23種類の暗号資産が取引可能であり、毎日・毎月の自動購入や通貨の自動運用など、初心者でも始めやすいサービスが揃っています。こうした利便性の高い取引環境の一方で、税務上の収支計算はユーザーの自己責任となっており、特に売買件数が多い月や複数通貨にまたがる取引をしている場合には、適切な記録と損益管理が不可欠です。この記事では、CoinTradeからダウンロードできるCSVデータ(TRADE_RECORD/CASHFLOW)をもとに、総平均法と移動平均法を使った手計算の方法を解説しました。取引数量や金額を整理し、ステップごとに損益を求める流れを理解すれば、一定の件数まではご自身でも計算が可能です。ただし、件数が多い場合や複数月・複数通貨をまたぐケースでは、計算のミスや見落としが発生しやすくなります。そんなときに活用していただきたいのが、当社が提供するクリプトリンクの損益計算ツールです。CoinTradeの取引データに完全対応しており、CSVをアップロードするだけで、正確な損益計算から申告書類の出力までを一括で処理できます。実際に手計算とツールによる計算結果が一致したことからも分かるように、ツールの信頼性も高く、初めての方でも安心して使える設計になっています。「できるだけ正確に、効率よく申告準備を進めたい」という方は、ぜひこの機会にクリプトリンクの損益計算サービスをお試しください。関連記事BACKSEAT(旧coinbook)の取引の収支計算方法を解説!総平均法・移動平均法とツール活用を紹介 BTCBOXの取引明細から損益を正確に計算する方法とは?手計算とツールを徹底比較!